コア・フードプラン(Core Food Plan)

食事療法の第一歩
 
コア・フードプランとは
コア・フードプランの特徴

各食品カテゴリー

よくある質問

実践のためのリソース

 


コア・フードプランとは

コア・フードプラン(CFP)は、次のような方のために設計された食事プランです。

  • 健康的な食事の基本原則を学びたい

  • 食の選択と健康のつながりを理解したい

  • 病気を予防したい

  • 食との向き合い方への気づきを高めたい

CFPは、より健康的な食べ方への第一歩となるように作られており、体を栄養で満たし、エネルギーを与えることを目指します。人が長く健やかに生きるために「何を」「どう」食べるべきかに関する最新研究に基づき、地中海食狩猟採集(パレオ)食のエッセンスを取り入れて、栄養密度の高いホールフードの摂取を促します。
CFPの大きな柱は、加工食品を野菜・果物・ナッツ・種子・豆類・全粒穀物・抗炎症性の脂質・高品質のたんぱく質へ置き換えることです。

このプランは個々の好みや健康状態に合わせて柔軟に調整できます。ベジタリアン/ヴィーガンの選択肢もあり、ほぼあらゆる食文化に馴染みます。本ガイドには、実践を助けるツール、情報、FAQが揃っています。
コア(核)」と呼ぶのは、一生を通じて役立つ食の土台を築くためのプランだからです。CFPは「食は薬」という基本原則に基づき、全身の健康を支えます。


コア・フードプランの特徴

総論
医師・栄養専門職の知見と科学的エビデンスをもとに作成。健康的なホールフードをバランスよく食べる方法を解説し、長期的な健康の土台を築きます。

基礎となる食事プラン

  • たんぱく質・脂質・炭水化物の三大栄養素に加え、ミネラル・ビタミン・フィトニュートリエント・食物繊維・水分を満たす設計。

  • 子どもから大人まで幅広く適用。減量・増量、血圧管理、乳製品やグルテンの除去、アレルギー/不耐への対応、アスリート向けの調整も可能。

ホールフード重視

  • 植物性のホールフードは、食物繊維フィトニュートリエントの最良の供給源。

  • 繊維は解毒物質やコレステロールなどの排出を助け、腸内細菌のエサにもなります。

  • フィトニュートリエントは色の源で、毎日“虹色”を意識して食べるのが目標。

オーガニック推奨

  • 可能な範囲で有機栽培を選ぶことで、農薬・添加物への曝露を減らします。加工食品に多い人工色素・香料・添加物・保存料の摂取も控えます。

質の高いタンパク質を十分に

  • たんぱく質は細胞の材料修復・免疫・筋量維持・血糖安定に必須。

  • 中程度に脂肪の少ない動物/植物由来の選択を推奨。有機・牧草飼育・放牧・天然などを選べば、毒性が低くオメガ3が豊富な傾向。

  • 毎食・毎スナックにたんぱく質を含めましょう。

質のよい脂質のバランス

  • 魚、葉物、ナッツ、良質な油、種子などの抗炎症性脂質を重視。

  • トランス脂肪を排除し、動物性飽和脂肪は控え、オメガ3を増やす方針。

  • 飽和脂肪を精製炭水化物(クラッカー等)に置き換えるのではなく、不飽和脂肪(例:オリーブオイル)に置き換えるのが望ましい。

  • ココナッツオイルグラスフェッドバターなど、少量の飽和脂肪も含みます。

食物繊維が豊富

  • 目安:1日25–35g。ホールフード中心の食事で自然に増やせます。

  • 不溶性繊維は腸内の“掃除役”。水溶性繊維はゲル状になって毒素・コレステロールを捕捉し、善玉菌のエサになります。

単純糖質を控える

  • 砂糖飲料・加工食品・精製穀物・デザートを避け、総糖・添加糖を制限。

  • 甘味料は大麦麦芽、玄米シロップ、ブラックストラップモラセス、メープル、純粋蜂蜜、ココナッツシュガー、アガベ1?3小さじ/日まで

  • ステビア、羅漢果、エリスリトールは代替としてごく少量使用可。

  • ラベルで糖の別名を確認。避けたい甘味料名の例:アスパルテーム、コーンシロップ(HFCS含む)、デキストロース、果糖、ブドウ糖、スクロース、マルトデキストリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、スクラロース など。

フィトニュートリエントの多様性

  • 植物由来の成分は血糖・コレステロール調整血管の柔軟性に寄与。

  • 赤・橙・黄・緑・青紫/黒・白/茶6色グループを毎日取り入れましょう。


フードプランをめぐる各食品カテゴリー

食品リストについて

  • CFPの食品リストは毎日選びたい健康的な食品のスナップショット。

  • 目標カロリーは最初の学習用目安。慣れてきたら量より質を重視します。

たんぱく質(動物・植物)

牧草飼育の牛・羊、天然の魚、放し飼いの鶏肉・卵は、質の高いたんぱく質と脂質のよい供給源です。
植物性では、有機の完全たんぱく(例:大豆)が便利。発酵大豆(味噌・テンペ・納豆)は有用菌も摂れます。

目安量

  • 小分けの目安(それぞれ約7gのたんぱく質に相当):
    肉・魚・チーズ 各約30g/卵1個/豆腐 約100g(約1/2カップ)

  • 1回の主菜量:肉・魚は手のひら1枚=約100g、植物性(豆腐など)はこぶし1個分を目安に。


豆類(レンズ豆・各種ビーンズ など)

たんぱく質+複合炭水化物+食物繊維が豊富で、脂質は控えめ。
豆+穀類を組み合わせると完全たんぱくが作れます。
ヒント:フムスは簡単で万能。サラダやスープに茹で豆を追加するのも◎。


乳製品と代替

たんぱく質・炭水化物・脂質を含む“複合食品”。乳が合わない方もいるため、有機の乳製品/代替(ケフィア、プレーンヨーグルト、無糖の豆乳・アーモンド・オーツ・ヘンプ・ココナッツミルク等)を推奨。
箱・缶はBPAフリーを選び、プレーン無糖が基本。


ナッツ&種子

良質な脂質・たんぱく質・繊維・ミネラル・ビタミンEの供給源。
無塩・無糖・有機を選び、おやつやトッピングに。
ピーナッツは農薬が多い傾向があるため有機推奨ナッツバター砂糖・油脂無添加を。


脂質&オイル

最小限に精製された有機の油少量使う。オメガ3を含む多価・一価不飽和脂肪を中心に。

  • 低温調理:オリーブオイル

  • 中?高温:未精製のごま・グレープシード・ひまわり・ココナッツ

  • 加熱不可亜麻仁・くるみ油(ドレッシング向け)
    トランス脂肪(部分水素添加油)は避ける


非でんぷん質野菜

目標:野菜・果物あわせて1日9皿。そのうち非でんぷん野菜を中心に。

  • 非でんぷん野菜1皿小鉢1皿(約70?80g/約1/2カップ)

  • 生の葉物1皿両手山盛り1杯(約1カップ)
    アブラナ科(ケール・芽キャベツ・ブロッコリー・キャベツ等)を意識し、虹色の多様性を。


でんぷん質野菜

サツマイモ、ヤム、冬カボチャ、パースニップ、カボチャ、ビーツなどは栄養豊富ですが血糖上昇に注意
糖尿病・メタボの方は1?2皿/日を目安に。活動量が多い人は増える場合あり。


果物

抗酸化・ビタミン・ミネラル・繊維が豊富。血糖上昇に配慮し、ナッツ等の脂質・たんぱくと一緒に。
目安:1日2?3皿小さめ1個=約100?150gで1皿)。


穀物

全粒穀物はたんぱく・繊維・微量栄養の供給源。精製するとでんぷん(高GI)が中心に。
グルテンを避けたい場合は、米・キビ・キヌアなどを。
目安:1?2皿/日(炊いた穀類
約100g=1/2カップ
/全粒パン6枚切り1枚)。有機・非遺伝子組換えを推奨。


飲み物・スパイス・調味料

浄水を中心に十分な水分を。ハーブティーだしも活用。アルコール・カフェイン・砂糖飲料は控えめに。
ハーブ&スパイスは抗炎症・抗酸化に有用。砂糖や増量剤入りは避けガラス容器で保存。
推奨調味料:各種ビネガー、ブロス(だし)、未精製塩、レモン/ライム汁、味噌(大豆OKなら)、マスタード、無糖サルサ、タヒニ、わさび、小麦不使用のたまり など。


FAQ

  1. 健康的な食事の核となる考え方は?

機能性医学は「食は薬」。多様で高品質なホールフード中心の植物性食が、健康を高め、慢性疾患の進行を抑えます。食は遺伝子発現にも影響し、血糖・炎症・免疫に情報を与えます。

  1. オーガニック食品は重要?

環境には多くの化学物質が存在します。曝露を減らすため、可能なら有機を。費用対効果は**旬の購入・CSA・EWGの“Dirty Dozen/Clean 15”**などを参考に。

  1. たんぱく質はどのくらい?

多くの人は**各食3–4オンス(手のひら大)**が目安。妊娠中・授乳中・アスリートは増量することも。**質(有機・放牧・天然)**が重要。

  1. 卵はどのくらい?

個人差あり。糖尿病の方は摂取頻度を控えめにする提案がある一方、全卵/卵白の選択は体質・数値に応じて判断。

  1. ベジタリアンはどう十分なたんぱく質を?

豆類・全粒穀物・葉野菜・種子・ナッツを組み合わせる。卵・乳製品を食べるならより容易。ヴィーガンはメチオニン(穀物)などの補完を意識。

  1. 生と加熱はどう使い分ける?

基本は生+加熱の併用。消化が弱い人は加熱が楽。蒸す/無水調理で栄養を保持し、過加熱は避ける

  1. 冷凍野菜・果物はOK?

良質なものなら栄養は多く保持。一部ビタミンは減るが、缶詰より良い選択。

  1. 1日9サービングは難しい?

例:果物2サービング、葉物2サービング、その他の非でんぷん野菜4サービング、でんぷん質野菜1サービング。

  1. ココナッツオイル/ミルクは?

基本はオリーブ&アボカド。必要時にココナッツ油を少量(1日小さじ3まで)。ココナッツミルクは風味付けに。

  1. 甘味料は?

極力控える。欲しい時は果物で。人工甘味料は代謝や渇望に影響する可能性があるため避けるのが無難。

  1. アルコールは?

赤ワインの成分(レスベラトロール等)は有益性も示唆される一方、糖とカロリーでもある。目標・体質に応じて専門家と相談。

  1. コーヒー/お茶は?

個人差あり。コーヒーは肝の糖代謝に好影響の示唆、緑茶・紅茶は心血管リスク低下との関連が報告。無糖で適量を。