心血管・代謝ケア フードプランとは 心臓・血管の健康と、血糖・脂質など“代謝”のバランスを食事と生活習慣で整える治療的プランです。炎症・インスリン抵抗性・ストレスといった共通の根本原因に働きかけ、血圧・脂質・血糖の安定化をめざします。 ※日本向け表記:1皿=1人前の目安/1カップ=200ml/手のひら=約100g(主菜の目安) 心血管・代謝ケア フードプランの特徴 改変地中海式が土台:野菜・果物・豆・全粒穀物・ナッツ&種子・発酵乳・EVOO(エクストラバージンオリーブオイル)を中心に、魚・鶏は適量、赤身肉は控えめ。 低GIを基本に:豆、ナッツ&種子、オート麦・大麦など全粒、野菜・ベリー類を優先。中GI食品はたんぱく質や脂質と一緒に。 良質な脂質を増やす:EVOO・青魚・ナッツ・種子油など抗炎症脂質を重視。トランス脂肪は回避し、飽和脂肪は控えめに。 食物繊維たっぷり:25?35g/日を目標(可溶性+不溶性)。 添加糖を最小限に:清涼飲料・加糖飲料・菓子・精製穀物を控える。人工甘味料(アスパルテーム等)は使わない。 個別化に対応:体格・活動量・検査値・嗜好に合わせ、目標カロリーや配分を調整。 各食品カテゴリー 1皿(人前)の数え方 非でんぷん野菜=小鉢1皿 約70?80g(≈1/2カップ)/生の葉物=両手山盛り1杯(≈1カップ)/果物=小さめ1個 100?150g/炊いた穀類=約100g(≈1/2カップ)/主菜たんぱく質=手のひら1枚≈100g 1日の目安(基準) 非でんぷん野菜:6?8皿(“赤橙黄緑青紫白/茶”の色を揃える) 果物:1?2皿(ベリー等の低?中GI中心) 全粒穀物:0?2皿(血糖・体重に応じて調整) たんぱく質主菜:毎食 手のひら1枚(約100g) ナッツ&種子:1?2回/日(20?30g/回) 油(EVOO等):小さじ4?6/日を“質”重視で カテゴリー別の指針 たんぱく質(動物・植物) 目安:毎食 主菜手のひら1枚(≈100g) 例:青魚(サーモン・イワシ・サバ等)、鶏、卵、豆腐・納豆・テンペ、硬めのチーズ ポイント:青魚のEPA/DHAが心血管に有用/加工肉は控えめ 豆類 目安:1皿/日以上(スープ・茹で豆・フムス) ポイント:満腹感と血糖安定をサポート(可溶性食物繊維が豊富) 乳製品と代替 目安:0?1皿/日(体質次第) 例:無糖のヨーグルト/ケフィア、無糖の豆乳・アーモンド・オーツ等 ポイント:脂肪分は個別に判断。加糖品は避ける ナッツ&種子 目安:1?2回/日(20?30g/回)、無塩・油不使用 例:アーモンド、クルミ、亜麻仁(挽いて使用)、かぼちゃの種、タヒニ 脂質&オイル 使い分け:低温=EVOO/中?高温=未精製のごま・グレープシード・ひまわり・ココナッツ油 注意:トランス脂肪は回避、飽和脂肪は控えめ、亜麻仁・くるみ油は非加熱 非でんぷん野菜 目安:6?8皿/日 推し:葉物(マグネシウム・葉酸)、アブラナ科(ケール・ブロッコリー等)、トマト・玉ねぎ・にんにく でんぷん質野菜 目安:1皿/日まで(白じゃがいもは控えめ) 例:サツマイモ、紫いも、冬カボチャ、ビーツ(心血管に有用) 果物 目安:1?2皿/日 ポイント:ナッツ等(脂質・たんぱく)と一緒に食べると血糖が安定/ジュースは基本避ける(例外:無糖のザクロ少量) 穀物(全粒) 目安:0?2皿/日 例:オート麦・大麦(β-グルカン)、玄米、全粒パン ポイント:加工度の低い全粒を優先。グルテン不耐は除外 飲み物・スパイス・調味料 水分:浄水を中心に、緑茶/ハーブティー1?3杯/日 スパイス:無添加(砂糖・増量剤なし)、ガラス容器保存 避ける:砂糖添加の調味料(ケチャップ等)、清涼飲料、エナジードリンク FAQ Q. 甘味はどうすれば? A. 基本は追加しない。欲しいときは低?中GIの果物で。人工甘味料は不使用。 Q. 卵は食べてよい? A. 体質・疾患で異なるため個別判断。糖尿病の方は頻度控えめが無難。 Q. 乳製品は脂肪分をどう選ぶ? A. 体質・検査値に応じて担当者と相談。いずれも無糖が基本。 Q. コーヒー/お茶は? A. 体質次第。無糖で。緑茶は1?3杯/日の範囲で有用。カフェイン感受性が高い方は控えめかデカフェに。 Q. アルコールは? A. 目標や既往による。赤ワインの利点は示唆されるが糖とカロリーでもあるため、主治医と相談。 実践のためのリソース 食品リスト(日本向け量表記/カラー分類つき) 週間プラン&レシピ(1皿表記・g/ml併記) フィトニュートリエント早見表(“色で食べる”チェック) 甘味料早見表 1皿=1人前 早見表 注意:持病や内服がある方は、医療者に相談のうえ個別化してください(カロリー・塩分・脂質・炭水化物量など)。