デトックス・フードプラン Detox Food Plan デトックス・フードプランとは 機能性医学でいう「デトックス」は、体内で薬剤・ホルモン・化学物質などを無害化して排出する働き(代謝的デトックス/バイオトランスフォーメーション)を、食事と暮らしで支える考え方です。肝臓・腎臓・腸・リンパ系・肺・皮膚が協力し、便・尿・汗・呼気として老廃物を外へ。毎日続くプロセスを、栄養と生活習慣で底上げします。 どんな人に適しているか だるさが抜けない/ブレインフォグ・頭痛が続くなど、慢性的な不調を感じる 肌・消化のゆらぎ(便秘/下痢、膨満感、胃腸の違和感)が気になる におい・化学物質に敏感になりやすい(化学物質過敏の傾向を含む) 体重が落ちにくい・むくみやすいなど、代謝の停滞を感じる ホルモンバランスの乱れが気になる(PMS、更年期症状の悪化傾向など) 都市部/職業的に曝露が多い(排気ガス・溶剤・粉塵・プラスチック等) 外食・加工食品・添加糖の摂取が多い/野菜・食物繊維が不足しがち 検診や栄養解析で肝機能や脂質・血糖の課題が示唆され、食生活の立て直しが必要 注意:妊娠・授乳中、小児、著しい低栄養や摂食障害の既往、重い食物アレルギーや重篤な基礎疾患がある方は、必ず医療者に相談して適否判断のうえ実施してください。 プランの特徴 トリガー食品の低減+栄養密度アップ(グルテン・乳などを減らし、色とりどりのホールフードへ) 肝臓サポートの鍵=たんぱく質(毎食 主菜手のひら1枚 ≈100g) オーガニック推奨&プラスチック回避(可能な範囲でBPAフリー・ガラス容器) 食物繊維25?30g/日+十分な水分で便通と排泄を促進 抗酸化・抗炎症の強化(野菜・果物・豆・ナッツ/種子・スパイス) ホルモンバランスを肝・腸から支える 長期の制限ではなく拡張へ:必要に応じて再導入し、食べられる幅を広げる 各食品カテゴリー(“1皿”の目安) 非でんぷん野菜:小鉢1皿=約70?80g(≈1/2カップ)/生の葉物:両手山盛り1杯(≈1カップ)/果物:小1個100?150g/炊いた穀類:約100g(≈1/2カップ)/主菜たんぱく質:手のひら1枚≈100g たんぱく質 低水銀の魚(サーモン・イワシ等)、鶏・七面鳥、ラム、野生肉、有機の豆腐・テンペ・大豆製品、豆類、無添加の植物性プロテイン ポイント:魚は産地/水銀量に配慮。甲殻類は避ける方針。大豆は有機・加工度低を 豆類 1皿/日以上(スープ・茹で豆・フムス等)。黒大豆・枝豆も◎(有機推奨) 乳代替 無糖の植物ミルク(豆乳・アーモンド・オーツ・ココナッツ等)、非乳の発酵食品(ココナッツヨーグルト/ケフィア) 成分表示で糖・増粘剤・添加物を確認 ナッツ&種子 1?2回/日(20?30g/回):生/ドライロースト・無塩 亜麻仁(挽いて使用)、ゴマ、タヒニ等は解毒・ホルモン代謝に有用 脂質&オイル EVOO・アボカド油・亜麻仁油(非加熱)・ヘンプ油・かぼちゃ種子油・米ぬか油・ごま油 遮光ガラス保存、劣化臭は破棄/トランス脂肪は回避 非でんぷん野菜(最重要) 野菜・果物 合計で1日9皿(野菜多め) アブラナ科(ブロッコリー/ケール/キャベツ等)、葉物、アリウム(玉ねぎ/ニンニク)を毎日 でんぷん質野菜 かぼちゃ・サツマイモ等はカロテノイド豊富。たんぱく質/脂質と一緒に 果物 抗酸化・ビタミンC源。ナッツ等と一緒で血糖ケア 服薬中はグレープフルーツに注意(相互作用あり得る) 穀物(グルテンフリー) アマランサス、そば、キビ、GFオーツ、キヌア、玄米、テフ オーツはGF認証を選択(高感受性の方は主治医と相談) 飲み物・スパイス・調味料 浄水をこまめに。無糖のコールドプレス野菜ジュース、だしも可 お茶:緑茶(カテキン)推奨/アルコールは除外 調味料:自家製推奨。市販は無糖マスタード、各種ビネガー、ココナッツアミノ、レモン/ライム、味噌、たまり等 ハーブ&スパイス:ターメリック・ジンジャー・カルダモン・パセリ・コリアンダー など全般OK 生活のコツ(曝露を減らすべきもの) 有機(特に動物性)を優先、脂身は控えめに 洗浄・皮むき、外葉除去、BPAフリー容器・ガラス/ステンレスを選ぶ プラスチック加熱NG、電子レンジは耐熱ガラスを 水分は浄水・RO・蒸留などを検討 加工食品・人工甘味料・合成保存料/着色料は最小限に FAQ カロリー制限は? 目的ではありません。解毒にはエネルギーが必要なのでカロリーは個別に調整します。 甘味は? 基本は控えます。使うならメープル/蜂蜜/玄米シロップ/ステビア等を少量 パンは? 原則外すが、GF粉+たんぱく/食物繊維補強の自家製なら可 冷凍はOK? OK(缶はBPAフリーを選択) 魚は週どれくらい? 低水銀魚を週2?3回目安(大型魚の高水銀は避ける) 実践のためのリソース デトックス・フードリスト(可/不可・写真つき) 週間プラン&レシピ(日本向け量表記:g・ml・「皿/人前」) 食事・栄養・ライフスタイル記録(1/3/7日) “色で食べる”チェック表(フィトニュートリエント6色) 迷ったら:機能性医学プラクティショナーにご相談ください。デトックスは“我慢する”より日々の選択を整えることが肝心。小さな積み重ねで、体は確実に変わります。
毒素の侵入(毒素 → 毒素暴露) 私たちは日々、食材や環境から化学物質を体内に入れます。これが「毒素曝露」の出発点です。まずは曝露源をできるだけ減らすことが前提になります。 食事が全段階を支える(Food) 食事から得る「栄養(Nutrients)」と「食物繊維+水分(Fiber & Hydration)」が、解毒の各ステップをサポートします。 第I相の支援(Phase I Support) 肝臓の酵素が毒素を“下ごしらえ”して扱いやすくする段階です。ここは栄養(ビタミン・ミネラル・植物成分など)が働きを助けます。 第I相の保護(Phase I Protection) 第I相の途中で一時的に反応性の高い中間体ができます。抗酸化・保護作用をもつ栄養が、ここで細胞を守ります。 第II相の支援(Phase II Support) 抱合(アミノ酸などを結合)して水に溶けやすい形に変え、体外へ出しやすくします。この工程も栄養(特にアミノ酸など)が不可欠です。 排泄(Toxin Elimination) 最終的に便・尿(+汗・呼気)として排出します。ここで「食物繊維と十分な水分」が通り道を整え、運び出しを後押しします。 「曝露を減らす」→「栄養で第I相・保護・第II相を支える」→「食物繊維と水分でしっかり排泄」という一直線の流れを、食事がすべての段階で支えることになります。食事内容次第で、毒素が溜まることもあるし、解毒してくれることもあるってことですね。