低フォドマップフードプラン Low FODMAP Food plan お腹が張りやすい、ガスがよく出る、それってもしかして・・・ 低フォドマップ・フードプランとは FODMAP=発酵性の糖質群、乳糖〕、果糖、ソルビトール等の糖アルコールを一時的に控える食事法。 IBS(過敏性腸症候群)やSIBO(小腸内細菌増殖症)、一部のIBDの症状緩和を目的に用いられます(モナッシュ大学が開発)。 どんな人に適しているか ガス・膨満・腹痛・下痢などの消化症状が特定の食品で悪化しやすい IBS/SIBOの診断がある、もしくは疑われる 食品トリガーを短期間で見極め、日常の不調を軽くしたい 長期の自己流継続はおすすめしません。経験のある医療者と進めてください。 目的 小腸で吸収されにくく、浸透圧で水を引き込み大腸で発酵してガスを生むFODMAPを制限し、腹部症状を軽減する トリガー食品の特定と、可能な範囲での食の多様性の回復 進め方(標準) 除去 2?6週間:中?高FODMAP食品をいったん外す(カロリー制限は不要)。 再導入:症状が落ち着いたら、食品 or サブグループごとに1つずつ戻し、3日程度反応を観察。 個別化:合う量・食品を整理し、多様性をできるだけ回復。必要なら一部FODMAPは長期制限。 特徴(要点) カロリー制限なし/栄養密度を重視 体の気づきを高め、トリガーを特定 腸の炎症・刺激を下げ、粘膜の回復を後押し 豆類・加工食品・一部フルーツ/野菜/乳は量や種類を限定 市販品はにんにく/玉ねぎ粉・高FODMAP添加に注意 食品の目安(早見表) 区分 食べられる(例) 控える/除外(例) たんぱく質 鶏・七面鳥、ラム、牛赤身、低水銀の魚、卵、硬質チーズ、木綿豆腐・テンペ、ホエイアイソレート/卵/ヘンプ等のプロテイン 調味済み肉のにんにく/玉ねぎ粉、高FODMAP添加の加工品 豆類 少量のヒヨコ豆/ブラックビーンズ(缶詰は洗って使用)、ムング豆、グリーンピース、にんにく抜きフムス 多量の豆類、レンズ豆多量、下茹で汁を使う調理 乳/代替 無乳糖ミルク/ヨーグルト、アーモンド/フラックス/ヘンプミルク(無糖) 牛乳・山羊乳・生クリーム、乳糖含有ソフトチーズ、ココナッツ/ライスミルク(厳格時) 脂質 EVOO、アボカド油(量に注意:アボカドは1/8個まで)、ごま/クルミ/亜麻仁/ヘンプ油 高FODMAP添加のドレッシング、劣化油 非でんぷん野菜 低FODMAP野菜を中心に1日10?12皿目安(小鉢=約70–80g) にんにく・玉ねぎ・長ねぎ・マッシュルーム・芽キャベツ・カリフラワー等(厳格時はブロッコリー・セロリ・ビーツなども量制限) でんぷん野菜 じゃがいも、プランテン、冬カボチャ など スイートコーン 果物 未熟バナナ、キウイ、ベリー、柑橘、ぶどう、メロン、パイナップル(適量) りんご、洋梨、マンゴー、さくらんぼ、桃/ネクタリン、柿、スイカ、ドライフルーツ 全粒穀物 グルテンフリーを中心に(キヌア、オーツ、ソバ、米 など) 小麦・ライ麦(とくにパン/パスタ)、一部GF穀物も厳格期は制限 飲み物・調味 浄水、無糖の野菜ジュース、自家製ブロス、緑茶/ペパーミントティー、少量のメープル/モラセス/ステビア はちみつ、HFCS、果汁多量、人工甘味料、にんにく/玉ねぎシーズニング 量の適否は個人差が大きいため、モナッシュ大学のアプリ(食品のFODMAP量と推奨量)を参照すると便利です。 よくある質問(FAQ) 期間は? 除去2?6週→再導入。症状や検査所見に応じて延長することも。 グルテンは? 多くの方で小麦/ライ麦は除外。サワードゥ少量など個別に許容可能な場合あり(医療者と判断)。 料理でFODMAPは減る? 一部減るが予測しづらい。低FODMAP食材を選ぶのが確実。 外食は? にんにく/玉ねぎ抜きを事前に依頼。シンプルなグリル+低FODMAP野菜が安全。 サプリは? 状況によりプロバイオティクス等を提案されることあり。銘柄/量は専門家へ。 使い方のコツ(日本向け) 野菜は色の多様性を保ちつつ、低FODMAPの範囲で小鉢10–12皿/日を目標。 再導入は1食品(or 1グループ)ずつ/3日観察。症状メモを残して許容量を見極める。 自己流の長期制限は栄養不足のリスク。医療者と二人三脚で「食べられる幅」を広げましょう。