栄養遺伝外来

・栄養遺伝外来について
・smartDNA解析でわかること
・市販の遺伝子検査との違い
・こんな方におすすめ
・検査の流れ
・理解してほしい大切なこと
・料金プラン
・プランの選び方
栄養遺伝外来について
自分の体のこと、どのくらい知ってますか?
毎日同じように食事をしていても、太りやすい人とそうでない人がいたり、同じサプリメントを飲んでいても効果の感じ方に差が出たり——そんな経験はありませんか。
その違いを生み出している大きな要素のひとつが、生まれ持った遺伝情報です。栄養素の使い方、解毒のスピード、ホルモンの巡り方、ストレスへの反応の仕方は、実は人それぞれに少しずつ違っています。
ユートピアートクリニックの栄養遺伝外来では、SNPs(一塩基多型)の解析サービス「smartDNA」を使って、お一人おひとりの遺伝的な特徴を丁寧に読み解きます。そのうえで、本当に必要な栄養素やサプリメント、生活習慣を医学的根拠にもとづいてご提案していきます。
あなたの「代謝のクセ」を見つける検査
私たちの体の中では、メチレーション、解毒、抗酸化、抗炎症、エネルギーの産生、神経伝達物質の代謝など、たくさんの代謝の歯車が同時に動いています。これらがスムーズに回ることが、心と体の元気を保つ土台になっています。
そして、どの歯車がよく回り、どの歯車が動きにくいか——いわば「代謝のクセ」は、遺伝子レベルで一人ひとり違います。クセそのものは病気ではなく、生まれ持った個性のようなもの。短所でも長所でもなく、ただその人らしさを形づくるひとつの特徴です。
ところが、このクセは日々の暮らしの中でじわじわと影響を受けていきます。
紫外線、大気汚染、糖化や酸化ストレス、慢性的なストレス、栄養の偏り、住環境のカビ、化学物質や農薬、睡眠不足——こうした環境要因が積み重なってくると、もともとは「ちょっとしたクセ」だったところが、少しずつ「弱点」として表面に出てきます。
同じような生活をしていても、ある人は元気でいられて、別の人はPMSや慢性的な疲れ、肌トラブル、メンタルの揺らぎとして不調を感じる——この違いの多くは、遺伝的なクセと環境要因の組み合わせから生まれています。
ご自身のクセを早めに知っておくと、環境のダメージが積み重なって弱点に変わってしまう前に、手を打つことができます。Aさんはメチレーション回路の入り口で流れが滞りやすいタイプ、Bさんは解毒のフェーズIIがゆっくり働くタイプ、Cさんは抗酸化の力がマイルドで酸化ストレスを受けやすいタイプ——こんなふうにクセの場所と程度がわかると、対策はぐっと具体的になります。
何をしっかり摂るとよいのか、何は控えめにした方がよいのか。世の中で「いい」と言われているものをやみくもに足していくのではなく、あなたの体に本当に合うものだけを補い、負担になるものは静かに避けていく——それが、栄養遺伝外来の目指す個別化の栄養療法です。
SNPsとは
SNPs(スニップス)は Single Nucleotide Polymorphism の略で、日本語では「一塩基多型」と呼ばれます。
ヒトの遺伝情報は約30億個の文字(塩基)でできていますが、そのうち500から1000文字に1つくらいの割合で、人と人の間に小さな違いがあります。このたった一文字の違いが積み重なって、体質や代謝の個性になっているのです。
SNPsは、それ自体が病気を引き起こすものではありません。酵素の働きやすさ、ビタミンの活性化のしやすさ、解毒のスピードといった「機能の傾向」をやさしく左右している要素です。
そして、生まれてから一生変わることのない、あなただけの設計図でもあります。だからこそ、検査は基本的に人生に一度だけで十分。一度受けていただければ、その情報は生涯、あなたの健康づくりの指針として使い続けることができます。
smartDNA解析でわかること
smartDNAは、機能性医学の知見にもとづいて選ばれた約300項目のSNPsを、まとめて解析する遺伝子検査です。栄養遺伝外来では、その中でも体調・美容・メンタルに直結する次のような領域を、特に丁寧に読み解いていきます。
解毒の力(フェーズI・フェーズII)
肝臓での解毒は、二段階の流れで進みます。フェーズIで体に不要なものを反応しやすい形に変え、フェーズIIで水に溶ける形に変換して、外に出す。この二段階のバランスが大事で、フェーズIだけが速くてフェーズIIがゆっくりなタイプの方は、中間でできる物質が体にとどまりやすく、肌荒れやだるさ、ホルモン関連の不調として表れることがあります。お酒との相性に関わる遺伝子も合わせて見ますので、無理のない付き合い方も具体化できます。
女性ホルモンの巡り
エストロゲンは、つくられるだけでなく、どんな経路で代謝され、どのように体の外へ送り出されるかが、健康と美容にとても大きく関わります。安全なルートで代謝が進むタイプか、それとも酸化ストレスを生みやすいルートに偏りやすいタイプかが見えてくると、PMS、月経の不調、子宮筋腫や乳腺のトラブル、更年期症状などへの対策が具体的に組み立てられます。
エネルギーをつくる力
ミトコンドリアでのエネルギー産生、補酵素の使いこなし、アミノ酸代謝、結合組織の合成に関わる遺伝子を解析します。同じだけ食べていても、エネルギーへの変換効率や組織を作る効率には個人差があり、この部分が控えめなタイプの方は、慢性的な疲れや、運動後の回復のゆっくりさ、筋肉のつきにくさを感じやすくなります。必要なたんぱく質の量、補うとよい栄養素(B群、マグネシウム、CoQ10、鉄など)、向いている運動の種類まで見えてきます。
ビタミン・ミネラル・鉄の使いこなし
ビタミンは「血液中にあるかどうか」と「体の中でちゃんと使えているかどうか」が別の話、というケースが少なくありません。あなたが特定のビタミンを上手に使えるタイプか、活性型を補ったほうがいいタイプか、逆に摂りすぎに注意したほうがいいタイプかを見ていきます。
鉄については、特に丁寧に解析します。鉄は足りないと貧血、慢性的な疲れ、息切れ、抜け毛、メンタル不調、不妊などの背景になりますが、多すぎても活性酸素を生み、酸化ストレス、慢性炎症、肝臓への負担を引き起こします。なかなか扱いの難しいミネラルなのです。
吸収しにくいタイプか、ためこみやすいタイプかが事前にわかれば、鉄剤やヘム鉄サプリメントをしっかり補ったほうがよいのか、それとも食事と献血などで上手に抜く方向に整えたほうがよいのかが、はっきり見えてきます。月経のある女性に多い「飲んでもなかなか上がらない鉄欠乏」と、男性や閉経後の方に潜みやすい「自覚のない鉄過剰」、その両方を見極められるのが、遺伝子検査ならではの強みです。
サプリメントの「足し算」だけではなく、摂りすぎを避ける視点や、吸収を妨げる要因まで丁寧に見ていきます。
解析対象遺伝子:BCMO1(ビタミンA)、NBPF3(ビタミンB6)、TCN2・FUT2・MTR・MTRR・MUT(ビタミンB12)、SLC23A1・GSTT1・GSTM1(ビタミンC)、CYP2R1・CYP24A1・DHCR7・GC・VDR-FOK1(ビタミンD)、INTERGENIC(ビタミンE)、TMPRSS6・TFR2・TF・HFE(鉄代謝)ほか
メンタルの安定とストレス耐性
気分の波、集中力、睡眠の質、ストレスへの強さの背景を、遺伝子レベルから見ていきます。ドーパミン、セロトニン、GABA、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の合成と分解、ストレスホルモン(コルチゾール)の調節、体内時計、記憶や認知に関わる遺伝子を読み解くことで、心を整えるために必要な栄養素や、相性のよい生活リズムが具体化できます。COMTという遺伝子のタイプによって、カフェインへの反応や、ストレス下でのパフォーマンスがけっこう違ってくる——そんな日常に直結する情報がたくさん詰まっている領域です。
解析対象遺伝子:COMT、MAO-A、MAO-B、DBH、DRD2、DRD2/ANNK1、CHRNA4、ADRB2、SLC6A3、SLC18A1、TPH2、TH、DDC、5HTTLPR、HTR2A、HTR2C、HTR3A、HTR3B、IDO1、IDO2、KMO、GAD1、ALDH5A1、NR3C1、MR、CRP、CLOCK、NPAS2、AANAT、ASMT、MTNR1B、BDNF、KIBRA、CNR1、CNR2、FAAH ほか
メチレーション ― すべての土台
ここまで見てきたすべての領域に深く関わっているのが、メチレーション回路です。活性型の葉酸・B12・B6を補ったほうがいいかどうか、ホモシステインの代謝の傾向、神経伝達物質や解毒、ホルモン代謝への影響——こうした全体像をひとまとめに把握できます。
解析対象遺伝子:MTHFR、MTR、MTRR、CBS、CTH、BHMT、MAT1A、SHMT1、AHCY、PEMT、GAMT、GNMT、TCN2、FUT2、DHFR、SLC19A1、TYMS、MTHFD1、CHDH、PON1 ほか
その他の体質マップ
慢性的な炎症と免疫、腸内環境、脂質代謝、血糖と体重管理、甲状腺、心血管、自己免疫的な傾向、抗酸化の力など、健康に関わる幅広い領域も同時に解析します。
解析対象遺伝子:
- 慢性炎症・免疫
- 自己免疫
- 腸内環境
- 脂質代謝
- 血糖・代謝・体重管理
- 甲状腺
- 心血管・血圧・凝固
- ヒスタミン代謝
- 抗酸化
市販の遺伝子検査とはここが違う
ご家庭で受けられる遺伝子検査キットの多くは、肥満リスクや祖先のルーツ、ざっくりとした疾患リスクを知ることが目的になっていて、結果も「太りやすい体質」「お酒が弱い」といった大まかな情報にとどまることが多いです。検査後のフォローもあまりなく、その結果を毎日の暮らしにどう生かすかは、利用される方ご自身に委ねられているのが現状です。
栄養遺伝外来で行うsmartDNA解析は、目的も使い方もずいぶん違います。
まず、解析対象が機能性医学の臨床知見にもとづいて選ばれた約300項目と、とても幅広いこと。「太りやすいかどうか」だけでなく、なぜそうなのかを分子レベルで読み解いていきます。メチレーション、解毒、抗酸化、抗炎症、エネルギー代謝、ホルモン代謝、神経伝達——健康と美容の根っこに関わる代謝経路を、立体的に評価できます。
そして、結果を医師が読み解き、診療に直結させていきます。血液栄養解析や尿中有機酸検査などほかの機能性医学検査と組み合わせ、遺伝的なクセが今、実際にどのくらい体に影響しているのかを見極めたうえで、必要なケアを組み立てます。遺伝子そのものは変えられませんが、遺伝子の働き方は栄養や生活習慣、環境で大きく変わります(エピジェネティクス)。手を打てる余地は、思っている以上にあるのです。
さらに、結果は具体的な行動レベルまで落とし込みます。サプリメントの選び方、食事の優先順位、運動の種類、解毒のための工夫、ストレスとの付き合い方まで——「リスクがあります」で終わらせず、「では、どうしましょうか」のところまで医療としてご提案していきます。これが、市販の検査キットとの一番大きな違いです。
こんな方におすすめ
- 慢性的な疲れや、はっきりしない不調が続いている方
- いろいろなサプリメントを試してきたけれど、効果を感じにくい方
- ご家族に生活習慣病、がん、認知症などの既往がある方
- PMSや更年期の症状でお悩みの方
- 気分の波や睡眠の質に課題を感じている方
- 肌や髪、体調から、内側のエイジングケアに本格的に取り組みたい方
- 自分にとって本当に必要なサプリメントだけを選びたい方
予防の観点からも、とても価値のある検査です。若い世代であれば、早めに自分のクセを把握しておくことで、これから先のリスクを長くコントロールしやすくなります。
検査の流れ
検査はとてもシンプルで、口腔粘膜(頬の内側)を専用のブラシで軽くこするだけ。採血は不要で、痛みもありません。所要時間も数分です。
採取した検体はオーストラリアの専門ラボに送られ、結果がクリニックに届くまで約1ヶ月のお時間をいただきます。結果が届きましたら、医師との結果説明のお時間を設けて、データをわかりやすくご説明し、必要な栄養素やサプリメント、食事や生活習慣のご提案までを一貫してお伝えします。
遺伝子情報は一生変わらないものなので、検査は基本的に人生に一度きりで十分です。一度受けていただければ、その結果はずっと、あなたの健康を組み立てていくための、頼れる地図として使い続けていただけます。
理解してほしい大切なこと
この遺伝子検査はあくまでも生まれ持った弱点を知る検査です。生活習慣、日々の外部環境によってその弱点が症状として強く出たり、または全く症状が出なかったりします。どんなに優秀な遺伝子配列を持っていても、カビの多い生活環境や悪い食生活をしていたら病気にはなります。ですのでご自身の健康を守るためには遺伝子検査で元々の弱点を知りつつも、外部環境、日常生活習慣を整えていく必要があります。この遺伝子検査は点数表ではなく、今後のご自身の健康のための指針と思ってください。
料金プラン
ご自身の目的と、今の体調に合わせて3つのプランからお選びいただけます。
ベーシックプラン|11万円
遺伝子検査キット + 解析レポート(カウンセリングなし)
ご自身の体質マップを手に入れて、日々の生活やサプリメント選びに役立てたい方向けの基本プランです。検査結果は書面でお渡しし、ご自身でじっくり読み込んでいただく形です。今のところ大きな不調はないけれど、予防として自分のクセを知っておきたい方、エイジングケアの方向性を遺伝子レベルで把握したい方にお勧めです。
スタンダードプラン|16.5万円
遺伝子検査キット + 血液栄養解析 + 統合解析レポート + 初診カウンセリング1時間
最もお勧めしているのが、こちらのプランです。遺伝子という「設計図」と、血液で見える「今の状態」を組み合わせることで、遺伝的なクセが、現時点でどのくらい実際に表れているのかを見ていけます。
たとえば、メチレーションに関わる遺伝子に変異があっても、ホモシステインや活性型B12・葉酸の血中濃度が良ければ、体はうまく対応できているとわかります。逆に、変異が軽くても血液で問題が見えていれば、すぐに手を打つ必要があると判断できます。
慢性的な不調がある方、PMSや更年期症状を改善したい方、サプリメントを最適化したい方、本格的に体質改善に取り組みたい方に、最も合うプランです。
初診の1時間のカウンセリングの中で、解析結果のご説明から、必要な栄養素・サプリメント・食事・生活習慣のご提案までを丁寧にお伝えします。
アドバンスプラン|33万円
遺伝子検査キット + 血液栄養解析 + 尿中有機酸検査 + 統合解析レポート + 初診カウンセリング1時間
はっきりとした症状があり、原因をしっかり追究して、根本から整えていきたい方向けの、最も詳しいプランです。
尿中有機酸検査は、ミトコンドリアの働き、神経伝達物質の代謝産物、腸内環境、解毒の力、ビタミン・ミネラルの細胞内での使われ方を、一度にまとめて見ることのできる、機能性医学の中核的な検査です。遺伝子の傾向、血液で見える今の栄養状態、そして細胞レベルで実際に何が起きているか——この3つを統合することで、これまで原因がはっきりしなかった慢性疲労、ブレインフォグ、メンタル不調、副腎疲労、複雑なホルモントラブル、自己免疫的な傾向にも、より精密にアプローチしていけます。
長く複数のクリニックに通っても改善しなかった症状をお持ちの方、本気で体調を整え直したい方にお勧めします。
2回目以降のフォローアップ(スタンダード・アドバンス共通)
再診料 + 血液栄養解析 + 30分カウンセリング 19,800円
ご提案した栄養や生活習慣の工夫が、実際にどんなふうに体に反映されているかを丁寧に追いかけるため、2?3ヶ月ごとの再診をお勧めしています。再診では、もう一度血液栄養解析を行い、よくなっている項目とまだ手当てが必要な項目を確認しながら、サプリメントや食事を少しずつ整えていきます。
体調や目的に合わせて、再診の間隔は柔軟に決められます。安定してきたら、半年?1年に一度のメンテナンス受診に切り替えていく方も多くいらっしゃいます。
プランの選び方
予防として自分のことを知りたい方、サプリメント選びに役立てたい方は、ベーシックプランから。
慢性的な不調がある方、本格的に体質を整えたい方は、スタンダードプランがしっくりくると思います。
はっきりとした症状があって、根本から見直したい方には、アドバンスプランをご提案しています。
迷われる場合は、初診のカウンセリングで医師がお話を伺いながら、今の体調・お悩み・目指したいゴールに合わせて、ぴったりのプランをご一緒に選んでいきます。