グルコーススパイクを起こしていませんか? 甘いものと上手につきあう糖のとり方

食後に眠くなる。午後になるとだるい。しばらくすると、また甘いものが欲しくなる。

こうした変化が気になるとき、食事や睡眠とともに確認したいのが、食後の血糖の動きです。

甘いものを楽しみながら健康を保つために、「何を選ぶか」「どれくらい食べるか」「いつ、どう食べるか」、そして「どのくらいの頻度で食べるか」を考えてみましょう。

グルコーススパイクとは?

食後に血糖値が急上昇することを、一般に「グルコーススパイク」や「血糖値スパイク」と呼びます。

食後の血糖上昇は自然な反応ですが、その上がり方には個人差があります。糖尿病と診断されていない方でも、日常の食事で大きな上昇がみられるケースが研究で報告されています。

健康診断のHbA1cは、過去約2?3か月の血糖状態を反映します。食後の変化も合わせて見ることで、普段の食事に対する身体の反応を、より具体的に理解できます。

食後の眠気やだるさ、空腹時のイライラなどが気になる場合は、食事の内容・量、睡眠、活動、症状が出る時刻を記録することから始めてみましょう。

血糖を穏やかに保つことは、血管の健康にもつながります

血管の内側を覆う「血管内皮」は、血流や血管のしなやかさを調節しています。

高血糖や大きな血糖変動は、酸化ストレスを増やし、血管内皮の働きに負担をかける可能性が、ヒトの実験研究で示されています。

高血糖が長く続くことは、目や腎臓などの細い血管を傷める糖尿病合併症にも関わります。食後血糖と日々の食習慣に目を向けることは、将来の血管の健康を考えるきっかけになります。

精製糖を控えることが勧められる理由

白砂糖などの精製糖は、少量で甘さとエネルギーを加えられる一方、食物繊維などをほとんど含みません。お菓子や飲料から、気づかないうちに摂取量が増えやすいことが、健康管理上のポイントです。

特に、糖を多く含む飲料や食品を習慣的にとりすぎると、次のような影響が問題になります。

① 体重が増えやすくなる

甘い飲み物は短時間で飲めるため、食事に加えてエネルギーをとりすぎやすくなります。介入研究をまとめた解析では、余分なエネルギーとして加糖飲料を追加すると、体脂肪が増えることが示されています。

② 肝臓に脂肪がたまりやすくなる

砂糖は、ブドウ糖と果糖からできています。果糖を含む加糖飲料を、必要量を超えるエネルギーとしてとり続けた研究では、肝脂肪の増加が報告されています。食事全体のエネルギーと、糖を含む食品の種類を合わせて考えることが大切です。

③ むし歯のリスクが高まる

口の中の細菌は糖を利用して酸をつくり、歯の表面を傷めます。糖の量に加え、甘いものを何度も口にする習慣にも気を配りましょう。

WHOは、食品に加えられた糖や、はちみつ・シロップ・果汁に含まれる「遊離糖」を、総摂取エネルギーの10%未満に抑えることを推奨しています。さらに5%以下にすると、追加の健康上の利点が期待されます。

1日2,000kcalの場合、5%は約25gです。ご飯などのでんぷんや、丸ごとの果物に含まれる糖は、この遊離糖とは分けて考えます。

甘味料は、GIと量の両方で考えます

GIは、一定量の糖質をとったときの血糖の上がり方を示す指標です。実際の食事では、食品の形、食べる量、組み合わせも影響します。

選択肢 特徴 取り入れ方
ココナッツシュガー コクのある甘さがあり、主成分はショ糖です 風味を生かして少量使用します
アガベシロップ 果糖の割合が高く、血糖を上げにくい性質があります 血糖だけでなく、総量や肝臓・脂質の状態も考えて使います
はちみつ 香りや風味を楽しめます。ブドウ糖や果糖を含みます 甘さをつける糖として、分量を決めて使います
デーツ 食物繊維やミネラルを含むドライフルーツです 大きさを確認し、小さなものを1?2粒など分量を決めます
生の果物 水分、食物繊維、ビタミンなどを一緒にとれます 適量を実のまま楽しみます

自然由来の甘味料も、風味を楽しみながら少量で満足できる使い方を見つけましょう。

甘味刺激への依存的な習慣にも目を向けましょう

甘いもののおいしさや心地よさには、脳の「報酬系」が関わっています。

疲れたとき、ストレスを感じたとき、仕事が一区切りついたとき。毎回甘いものを食べていると、その場面と甘味が結びつき、「この時間になると甘いものが欲しい」という習慣がつくられることがあります。

ここでは、こうした甘味刺激を繰り返し求める食べ方を「甘味刺激への依存的な習慣」として考えます。

低GIや自然由来の甘味料を選ぶ際も、糖の量とともに、甘さを求める頻度に目を向けましょう。ココナッツシュガー、アガベ、はちみつなどは、毎日の飲み物や間食に常用するより、ときどきの楽しみとして少量を味わう使い方がおすすめです。

習慣を整えるためには、

・普段の飲み物は無糖にする
・お菓子を手元に置き続けない
・食事を抜かず、タンパク質や食物繊維をとる
・甘さを少しずつ控えめにする
・疲れたときは、休憩や散歩なども取り入れる

といった工夫が役立ちます。

甘いものを食べるときは、量を決めてゆっくり味わう時間に。甘さを日常の必需品にせず、楽しみとして付き合っていきましょう。

食べ方を整える四つの工夫

① 飲み物は無糖を基本にする

水や無糖のお茶を普段の飲み物に。果物は、食物繊維を含む実のまま楽しみましょう。

② 野菜やタンパク質から食べる

野菜・海藻・きのこや、魚・肉・卵・豆類のおかずを先に食べ、主食はその後に。こうした食べる順番は、食後血糖の上昇を穏やかにする工夫として研究されています。

デザートを楽しむ日は、食事全体の量を調整し、小さな一皿を味わいましょう。

③ 食後は軽く身体を動かす

10?20分ほどの散歩や家事を取り入れ、座り続ける時間を減らします。食後の軽い歩行は、血糖への好影響が期待できます。

④ 甘いものは日中に、量を決めて楽しむ

夜遅い時間を避け、活動時間に合わせて楽しむことも一つの方法です。食べる時刻や量を決めると、習慣的な間食を整理しやすくなります。

桑の葉は、糖の吸収に着目した素材です

桑の葉に含まれるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)は、小腸で糖質を分解する酵素の働きを抑える成分です。

DNJ量を調整した桑の葉抽出物では、食後血糖の上昇を抑える作用を調べた臨床試験があります。製品ごとに成分量が異なるため、内容を確認して選びます。

おなかの張りやガスが出ることがあります。糖尿病の薬を使用している方は、担当医と相談して取り入れましょう。桑の実のドライフルーツと、桑の葉の成分は分けて考えます。

リブレで、普段の食事との関係を確認してみましょう

自分の食事で血糖がどう変わるか気になる方は、医師と相談しながら、FreeStyleリブレなどの持続グルコースモニタリングを活用する方法があります。

センサーで日々の変化を記録し、

・食事の量や組み合わせ
・甘い飲み物や間食
・食後の散歩
・遅い夕食

による違いを確認できます。

リブレが測るのは、細胞の間にある液体「間質液」のグルコースです。血液で測る血糖値との時間差や測定誤差を踏まえ、食事・活動・症状の記録と合わせて読み解きます。気になる値が続く場合は、血液検査などで確認します。

DNA検査から、糖に関わる体質を考えることもできます

糖を細胞へ取り込む仕組みには、インスリンの分泌と、その信号に細胞が反応する働きが関わっています。TCF7L2、SLC30A8、KCNJ11、IRS1などは、この仕組みに関連する遺伝子です。食欲や満腹感に関わる遺伝的な背景も、体質を理解するための研究対象となっています。

メラトニン受容体に関わるMTNR1Bでは、遅い食事による耐糖能への影響が、遺伝型によって異なることが報告されています。

DNA検査は生まれ持った体質を考える手がかりとなり、血糖モニタリングは現在の食事への反応を知る助けになります。

当院の栄養遺伝外来では、smartDNAの結果を、血液検査、食事、生活習慣、症状と合わせて読み解きます。必要に応じて血糖モニタリングも検討し、食べる量や組み合わせ、間食、食後の活動などをご提案しています。

甘いものをときどきの楽しみとして味わいながら、身体と血管の健康を支える食べ方を見つけていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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