巻き爪・陥入爪

 

 

爪のお悩みとして、「巻き爪(まきづめ)」と「陥入爪(かんにゅうそう)」が多いです。

 

巻き爪の原因

爪はもともと平仮名の「の」の字に丸まりを帯びているものですが、こちらは普段から歩行することによって指に圧がかかり爪が巻いてしまう力とバランスをとっています。

例えば、

  1. 歩き方が変、足の形が変わっている(外反母趾、へん平足)
  2. 足のサイズに合わない靴を履いている
  3. 寝たきり、歩行しなくなった

などの原因で、巻き爪になっていってしまいます。

 

巻き爪の治療(保険)

巻き爪は保険診療で治療できます。

まずは「爪クリップ(自費で購入して頂く)」を使ってみることをおすすめしています。外科的な手術が必要なく、患者さんが自分で装着できるのでおすすめです。

 

爪クリップとは・・・

Dr. Schollのブランドで、サイズがS,M,Lサイズとあります。超弾性形状記憶合金を採用し、爪先に留めるだけで爪が広がるものです。クリップの両端にあるフックで爪先をはさむだけで簡単に装着ができます。こちらは患者さんに購入して頂いて使用するものになります。

 

陥入爪の原因

深爪しすぎていることが原因です。大部分の方はご自身が思っているよりもだいぶ深爪になっています。

爪を切りすぎてしまっている、あるいは、爪を切るときにかなり指先の皮膚が見えてしまっている、などです。

皮膚と爪に段差が生じ、爪が伸びるときに皮膚に食い込むようになってしまいます。

さらに、サイズの合わない靴を履き、日々指先に刺激を与えている、あるいは、指先をケガしてしまったのが原因で爪が曲がってしまった、などもあります。

 

陥入爪の治療(保険)

陥入爪は、爪囲炎といい急性炎症が起きているかで治療法が変わります。

炎症が強く、指と爪の間に不良肉芽(ふりょうにくげ)という赤いブヨブヨした肉芽組織が挟まり、痛みを常に感じるあるいは触るだけで痛いという状況です。

このようなときは、まず爪を部分的にカットします。

陥入爪手術(局所麻酔)

  • 局所麻酔の注射をしてから、指先の皮膚に刺さっている爪を爪の奥までたどってカットしてしまいます。

局所麻酔がみなさんとても痛いようですが、極細針(別途購入)で麻酔を注射することで多少は痛みが和らぐはずです。

部分的に麻酔を打ち、触っても痛みがない状態で、爪を爪の生えてくる爪母(そうぼ)という根本まで追いかけてカットします。軟膏(イソジンゲル)を塗布して、ガーゼで圧迫して終了です。

  • 手術当日は、飲酒、運動、シャワーは禁止です。
  • 自宅で足をあげてすごしてください。軟膏で1日1回、処置してください。
  • 翌日からシャワーOKです。傷のガーゼも外して創部をよく洗浄してください。
  • 運動(散歩、ジョギング、柔道・空手・剣道などの武道、サッカー・ラグビー・アメフトなどの競技、テニス・野球などスポーツ)は傷が上皮化(じょうひか)するまでやめてください。

スポーツをやられている学生さんは、大会が間近など早く治したいという希望もあると思いますが、手術をすると2週間くらいは傷があるため、無理はできません。

手術後は、傷があるため、例えば裸足で歩くことや温泉、プールなどの共同浴場は感染のリスクがあるため避けてください。激しい運動も、傷の治りには逆効果です。テスト期間は手術にとって、部活動がお休みになるためむしろちょうどいい期間です。ただし、体育の授業は無理しないでください。出血することもあります。

テーピング(保険)

 

こちらは保存的に治す方法です。変な方向に成長した爪が刺さっているせいで、不良肉芽ができてしまっているため、指先の皮膚をテープでぐっと不良肉芽から離すように貼り付ける方法です。

 

  • テーピングはお風呂上り、1日1回自宅で処置が必要です。
  • テープはこちらで購入できます。
  • 面倒くさくなり、脱落する人もいます。
  • うまくいけば、これだけで痛みがなくなります。

脱落せず、続けられればこれだけで改善します。

しかし時間がかかります。爪が完全に指先の皮膚よりも長く伸びるまで、さらに1カ月程度かかるので、そこまでの辛抱です。爪がしっかりと伸びきってから、当院を受診して頂けたらこちらで爪切りを指導しますので、ご安心ください。

爪切り、ネイルケア(自費)

 

爪切りは医療行為ではありませんので、自費になります。

 

陥入爪、爪囲炎というのは母指(手の方の親指)、母趾(足の方の親指)にできやすいです。さらに両側(左右)の方もいらっしゃいます。

ネイルケアも併せて、指1本ずつで処置代がかかることをご了承ください。

 

爪でお悩みの方、保険診療だけで解決することが多いのでぜひご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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