皮ふのできもの 粉瘤

 

粉瘤とは?

 

角質や皮脂が皮下に袋状にたまりできた良性のできものです。

「アテローム」とも呼ばれます。

背中、顔、頭、耳の裏、おしり、手足、足の裏など体中のいたるところにできます。できやすい人がいますので何回も切除術を受ける方もいます。

最初は小さな「しこり」だったのが、だんだんかゆくなったり赤くなったりと変化してきて、徐々に増大します。

ひとりでに増大し「自壊(じかい)」といい、勝手に破れて中身(白色のにおいのある粥状物)が出てくることがあります。

 

毛穴のある体中の皮ふにできるため、気が付いたら小さいうちに切除することをおすすめします。

切除術は、「しこり」の大きさに合わせて皮ふを切開します。

小さいほど傷も小さく済みます。

 

自分で潰してしまう人もいますが、それは絶対にダメです。汚ない見た目で治ってしまい、傷跡がずっと体に残ってしまうからです。しっかりと手術やケアを受ける必要がある疾患です。

 

切除術は保険診療なので、健康保険が適用されます。

費用は手術のみでだいたい下記の通りです。

これに再診料や採血検査、病理診断検査などの費用が追加となります。

 

露出部:頭、顔、首、肘~手、膝~足

大きさ(露出部) 3割負担 1割負担
2㎝未満 5,000~6,000円程度 2,000円程度
2㎝~4㎝ 11,000~12,000円程度 4,000円程度
4㎝以上 13,000~14,000円程度 4,500円程度

 

 

非露出部:体幹(胸、腹、背中、腰、おしり)、腕、太もも

大きさ(非露出部) 3割負担 1割負担
3㎝未満 4,000~5,000円程度 1,500円程度
3㎝~6㎝未満 10,000~11,000円程度 3,500円程度
6㎝~12㎝未満 12,000~14,000円程度 4,500円程度
12㎝以上 25,000円程度 8,000円程度

 

 

局所麻酔下の日帰り手術を行います。

歯科麻酔にアレルギーのある方、ふだん採血で具合が悪くなる方(迷走神経反射が起こりやすい方)は注意が必要です。

持病に糖尿病がある方、ステロイドの治療を受けられている方は傷が治りにくくなることがあります。

初診のときにお薬手帳やこれまでの治療がわかるものをご持参ください。

 

通院の頻度:3回程度

初診:診察、空き枠があれば当日手術。自宅の処置方法を指導。

7日目:抜糸のため受診。傷専用の保護テープを購入して頂く。

1か月後くらい:傷跡の確認。きれいに治っていれば通院終了。盛り上がり(肥厚性瘢痕やケロイド)になる徴候があればステロイド入りのテープを処方。

*傷跡の治療としてさらに1か月後:ステロイドテープの効果判定。効果があり副反応がなければ継続、間隔をあけて通院。3カ月~4カ月ごと。傷が目立たなくなるまで。

 

 

 

 

炎症性粉瘤とニキビの違い

 

炎症性粉瘤は粉瘤に細菌感染を引き起こした状態で、痛みと赤みがあり「腫れあがった」除隊の粉瘤は次第に「自壊」します。ニキビに間違われやすく、そのまま放置されることもしばしばあります。

しかし、何もせずに放置すると、「悪臭」や「ドロドロした中身」がどんどん出てきて、毎日シャワーで洗っても勝手に開いて勝手に出てきた膿が治るとき、「傷跡」が汚く治ってしまいます。

 

そのため、すぐに手術で切開する必要があります。

切開も局所麻酔ででき、自宅処置の方法を丁寧に指導するので至急受診してください。

 

 

 

「粉瘤かな?」と思ったらお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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