
赤ら顔は食事と関係する?
「ヒスタミン」という視点から考える食事の整え方
顔の赤みやほてりが気になると、スキンケアや美容施術に目が向きがちです。
もちろん、赤ら顔には酒さ、毛細血管拡張、炎症性皮膚疾患などさまざまな原因があり、まず皮膚の状態を正しく評価することが重要です。
一方で、
「食事をすると顔が赤くなる」
「ワインを飲むとほてる」
「生理前になると赤みが強くなる」
「赤みだけでなく、かゆみや頭痛、お腹の張りなどもある」
といった場合には、食事や腸内環境を含めて「ヒスタミン」の影響を考えることがあります。
ヒスタミンとは?
ヒスタミンは決して「悪い物質」ではありません。
もともと私たちの体内に存在し、免疫・アレルギー反応、胃酸分泌、血管の調節、神経伝達などに関わる重要な物質です。
一方、食事などから入るヒスタミンが増えたり、体内でのヒスタミン放出が増えたり、分解が追いつかなくなったりすると、赤み、ほてり、かゆみ、じんま疹、頭痛、消化器症状など、さまざまな症状が現れることがあります。
「ヒスタミンのコップ」で考えてみましょう
ヒスタミンと食事を考えるときに、わかりやすいのが「コップ」のイメージです。
私たちの体には、ヒスタミンを処理できる一定の許容量があると考えます。
そこへ、
・食事
・腸内環境
・ストレス
・睡眠不足
・ホルモン
・一部の薬剤
など、さまざまな要因が重なっていきます。
コップの中に収まっている間は症状がなくても、その人が処理できる量を超えて“あふれる”と、赤みやほてりなどの症状が出やすくなる、という考え方です。
そのため、ヒスタミンを完全にゼロにすることが目的ではありません。
自分の負荷を知り、コップをあふれさせないように調整することが大切です。
赤ら顔が気になる方が一度見直したい食品
ヒスタミンとの関係では、食品を大きく3つの視点から考えます。
①ヒスタミンを多く含む食品
②体内でヒスタミンの放出に影響する可能性のある食品
③ヒスタミン分解に影響する可能性のある食品
代表的なものには、
・ワイン、ビール、日本酒などのアルコール
・熟成チーズ
・ハム、サラミ、ベーコンなどの加工肉
・缶詰や燻製などの加工された魚
・味噌、醤油、納豆、漬物などの発酵・熟成食品
・トマト
・なす
・ほうれん草
・チョコレート、ココア
・コーヒー
・紅茶、緑茶
などがあります。
特に日本の食生活は、味噌、醤油、納豆、漬物、干物など、発酵・熟成食品を日常的に取り入れる文化があります。
これらは一般的には健康的な食品として扱われることも多いものですが、「体に良い食品=すべての人に、いつでも良い」とは限りません。
赤みやほてりなどの症状が強い時期には、一時的に量や頻度を見直すことがあります。
実は「何を食べるか」と同じくらい、新鮮さが大切です
ヒスタミン対策では、食品の種類だけでなく「鮮度」も重要です。
食品は時間が経過したり、発酵・熟成したりすることでヒスタミン量が増えることがあります。
そのため、
・肉や魚はできるだけ新鮮なものを選ぶ
・購入後は早めに食べる
・すぐに食べない場合は冷凍する
・作り置きや残り物を長期間保存しない
といった工夫も大切です。
「同じ鶏肉だから同じ」「同じ魚だから同じ」ではなく、保存状態や鮮度によっても違いが生じます。
では、何を食べればよいのでしょうか?
低ヒスタミン食では、「食べられないもの」ばかりに目を向ける必要はありません。
例えば、
・新鮮な鶏肉、豚肉、牛肉、ラム肉
・新鮮な魚
・卵
・ブロッコリー
・カリフラワー
・にんじん
・きゅうり
・ズッキーニ
・かぼちゃ
・玉ねぎ
・りんご
・梨
・ぶどう
・ブルーベリー
・米
・そば
・キヌア
・オリーブオイル
など、選択肢は多くあります。
ポイントは、極端な食事制限を長期間続けることではありません。
症状が強い時期には一定期間ヒスタミン負荷を下げ、症状が落ち着いてきたら、一品ずつ少量から戻して自分の許容量を確認していきます。
食事だけでなく、腸内環境も関係します
ヒスタミンを考えるうえで、もうひとつ重要なのが腸内環境です。
食事から摂取したヒスタミンは、主に腸管に存在するDAO(diamine oxidase)という酵素によって分解されます。
また、腸内細菌の種類によってはヒスタミン産生に関与するものもあるため、単純に「高ヒスタミン食品を避ければよい」とは限りません。
必要に応じて、食事内容だけではなく、消化機能や腸内環境、栄養状態なども含めて評価することがあります。
女性ではホルモンとの関係にも注目します
「生理前になると顔がほてる」
「月経周期によって赤みが変わる」
という方もいます。
ヒスタミンとエストロゲンには相互作用があるため、女性では月経周期によって症状の出方が変化することがあります。
毎日同じ食事をしているのに、ある日は大丈夫で、ある日は赤くなる。
その背景には、食事だけでなく、ホルモン、睡眠、ストレス、腸内環境など複数の要因が重なっている可能性があります。
赤ら顔を「肌だけ」で考えない
赤ら顔の原因は一つではありません。
毛細血管、皮脂、炎症、皮膚バリア、紫外線など、皮膚そのものに対する評価と治療が必要な場合もあれば、食事や腸内環境などを一緒に見直すことで症状のコントロールにつながる方もいます。
そのためUTOPIART CLINICでは、
「赤いからレーザー」
「肌荒れだからスキンケア」
と一律に考えるのではなく、まず「なぜ赤くなっているのか」を考えることを大切にしています。
外側から肌を整える美容医療と、
食事・栄養・腸内環境など内側からのアプローチ。
その両方から、一人ひとりの肌を考えていきます。
※すべての赤ら顔がヒスタミンによって起こるわけではありません。酒さや皮膚炎、アレルギー疾患など、医療的な評価や治療が必要な場合があります。また、過度な低ヒスタミン食は食事の多様性を損なう可能性があるため、長期間の自己流の制限はおすすめしていません。