これって脂肪?リンパ浮腫と間違われやすい脂肪浮腫とは?

 

脂肪浮腫Lipoedemaという疾患があります。

女性で、上半身は普通なのに腰から足にかけて太めな状態が特徴的な状態です。

これはいわゆる「下半身肥満」というもので、海外の外人によくみられる体型です。

日本人でこの体型の人は少ないと言われています。

腰回りの脂肪が増大してくると、塊として固くなった脂肪はセルライトとよばれ足から心臓へ流れるリンパ液の循環を阻害します。

肥満であることに気が付くことも大切で、ダイエット(減量)することでむくみの改善が期待できます。

脂肪性浮腫の特徴

  • 対称的なむくみ:足、おしりにみられ左右対称性に現れることが多いです。
  • 痛み:触れると痛みを感じることがあります。圧痛(推すと痛い)があります。
  • 皮膚:進行したリンパ浮腫の皮膚は線維化により硬くなりますが、柔らかい皮膚でオレンジの皮のような小さな凹凸がみられます。
  • あざ:軽く圧迫しただけで毛細血管が壊れやすいため、あざができやすいです。

 
重症度分類:4段階
  1. Stage 1:軽度。皮膚変化はまだ少ない。
  2. Stage 2:皮膚凹凸がみられる、「オレンジピール」と呼ばれる変化。1日のうち夕方に「圧痕性浮腫」を認める。
  3. Stage 3:体重増加が顕著、足の変形がみられる。皮膚色が変化してくる。日常生活が不便になる。
  4. Stage 4:全身に広がる。リンパ浮腫も合併する。
 

Lipedema: Clinical Features, Diagnosis, and Management.Hatan Mortada, et al,Arch Plast Surg 2025;52:185-196.

(DOI https://doi.org/ 10.1055/a-2530-5875. eISSN 2234-6171.)

 

むくみの部位

 

  1. Ⅰ型:おしり
  2. Ⅱ型:おしり~膝
  3. Ⅲ型:おしり~足首
  4. Ⅳ型:足~腕
  5. Ⅴ型:脂肪リンパ浮腫(Lipo-lymphaedema)

脂肪浮腫の原因とリスク

脂肪浮腫の原因はまだ未解明で、ホルモンの変化や遺伝的要因が大きいと言われています。

肥満や運動不足もリスクの一つと言われています。

 

治療法について

症状に応じて対症療法をしていく必要があります。

  • 運動療法:プールでエクサイズ程度の運動が最もよいとされています。関節への負担を減らしながら運動ができます。
  • 食事療法:抗炎症食を取り入れることで、症状の改善が期待できます。
  • 圧迫療法:弾性ストッキングや包帯を使用してむくみを抑えます。Stage 2の方が主に適応となります。
  • 高周波温熱療法:深部を加温することで血流を改善します。
  • リンパドレナージ:リンパ液の流れを促進し、むくみを軽減します。

脂肪浮腫かなと思ったら

まずは、専門外来を受診して頂くことが大切です。

食事を見直し栄養管理をしながら減量をしていきます。

普段から運動している方でも、膝関節に負担がきていると炎症を起こしやすいため、サポーターなどで保護するか運動療法を見直す必要があるときがあります。

弾性ストッキングは弱圧~高圧まで様々ですが、30mmHg程度のものを日中装着することから開始します。

 

いずれもオーダーメイドでの治療となりますので、まずは受診して頂き、日常生活を一緒に見直すきっかけにして頂ければと思います。

 

太っていてなかなか痩せないと思った方、それは脂肪浮腫かもしれません。足がむくんでいると感じている方も是非クリニックへご相談ください。

 

 

(★☆2025年12月2日クリニックの植物たち☆★)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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